
ライター:内村 愛生
作品名は「ズートピア」
2016年に公開され、アカデミー賞、アニー賞を受賞した、ディズニーアニメ映画の中でも上位を争う人気の作品です。
作品の大まかなストーリーとしては、新しい環境に慣れない主人公の葛藤と、様々な困難に立ち向かうウサギのお話です。
主人公のジュディは両親や教師の反対に迷いながらも、自らのスキルが認められ、憧れの会社に入学。
だが入ってみれば仕事は憧れたものより程遠く、スキルが認められたはずなのにそれを生かせず、初めての1人暮らしに誰の助けも貰えない。
やっと大きな仕事だと張り切り、それだけ見てしまえば、働く事自体できなくなってしまう。
今、業界に憧れ、学校で自らのスキルを磨く私達と、訓練学校で奮闘するジュディは全く一緒です。
ディズニーは、憧れと努力すればいいものではないと、私達就活生に教えてくれているのではないでしょうか?
就活とはこんなに厳しいものなのかと、不安になった方も多いでしょう。
しかし、これで終わりではありません。どうすればいいのか、ディズニーはちゃんと答えを示してくれています。
どんなに苦しくても、人と人との繋がりは大切なもので、自らに回ってくる。
人を助けたことで事件は解決、蔑ろにしたことで世界は混乱。
そしてジュディの行動が身を結んだときはいつも、何をすべきかしっかり考えた時です。
何も考えずに行動すると全てが悪くなる、とディズニーは伝えたいのだと思います。
浮かれている我々就活生に釘をさす良い作品です。
しかし逆に、子供についてはどうでしょう。
私達と一回りも違う彼らは、かっこいい職業へ強い憧れを持っているでしょう。
現実を見て、この先の人生がかかった我々には良いものですが、まだ子供らしく、憧れをもつべき彼らには、夢への憧れを絶ってしまうかもしれません。
ディズニー作品は元々グリム童話などを題材にしています。
童話といえば子供向けなイメージが多いでしょうが、原作はとてもグロテスクで、とても子供に向けられた作品ではありません。
流石に残酷な描写を避けてはいますが、元々そんなお話をリメイクしたものなので、ディズニーは我々が子供向けだと思っているだけで、彼らはターゲットを子供にしてはないのかもしれません。
そう考え、我々のような就活生がターゲットの作品と見ると、とても素晴らしい作品です。
就活生に釘を刺し、しかし諦めないことが大事と伝えてくれる、元気とやる気が出てくる作品です。
しかし我々のイメージ通り、子供向けに作られた作品であるのなら警察・事件と少々話が難しく、映画館で子供に見せるにはちょっと厳しいかもしれません。
ですが最終的にはハッピーエンドを迎えるので、動物が好きだったり、警察に憧れを持つ子供には良いと思います。
道の種類は違えど、厳しいエンターテイメントの世界を目指す皆さんには是非見て貰いたい作品です。
<編集協力:浅井恵斗>