——会社の一週間のスケジュールについてお教えください。
望月:
撮影は完全にシフト制なので、シフトに合わせて基本は裁量8時間。ただタイミングによっては半日くらいになってしまうこともあります。
制作に関しては、僕の稼働時間によってしまうこともあり、明確にこの時間、という形にはならないのですが、概ね11時から9時間くらいがコアタイムですね。
——会社として休日はどのように取られる感じでしょうか。
望月:
撮影はシフト制なので取るタイミングはバラバラですが、月5日くらいが目安ですね。制作に関しても同様ですが、本人の努力次第では週休2日はもちろん、それ以上とってもらうことも問題はありません。
——夏休みや冬休みはございますか。
望月:
夏休みは年末までに3日ほど付与するので好きなタイミングにとっていただく形です。冬休みは毎年12月28日から1月3日まで1週間くらい休んでます。それとスタッフそれぞれの誕生日月は休暇が2日プレゼントされるので、夏休みとあわせれば5日まとめて休めます。
——会社全体としての忘年会や新年会などイベントはございますか。
望月:
忘年会が28日にあります。
あとイベントではまったくないですが、福利厚生として指圧があります。2週間に1回、僕の新聞奨学生時代の先輩なんですが、世田谷治療院てのひら代表の宮下さんがオフィスに来てくれるので、施術を受けることができます。
これも福利厚生の一部ですが、金沢では4月から、月20日間2食ケータリング入れて、各100円で提供します。これは沖縄、岡山でも今後やりたいかなと思っています。
——今年度募集されているお仕事についてお話をお聞かせいただければと思います。撮影とラインプロデューサーそれぞれについてお話をお聞かせいただけますか。
望月:
撮影に関しては、東京、岡山、金沢、沖縄に拠点がありますので、それぞれのエリアで採用をできたらとも思いますが、例えば東京の方で沖縄や金沢に行ってみたいな……という方がいらっしゃれば、それも前向きに検討いたします。
実際、それぞれの地域出身じゃない方が各エリアに飛んでいって定着するというケースは多いです。
研修後、貢献しているスタッフが地方へ行く場合は渡航費は会社負担で移住してますね。
基本、地方拠点では線撮をメインにやっているんですが、今後に関してはそれ以外の領域についても業務内容を拡張していければと思っています。
——会社から「地方に飛んでほしい」という要望を出すことはありますか。
望月:
たまに「どう?」って疑問をなげかけたりするくらいですね。入社してからいきなり飛んでもらう、ということはやりませんし。
もちろん、本人の希望があり、ある程度キャリアを積んでもらった後であれば会社としてはどのエリアで仕事をしてもらっても構いません。例えば入社するスタッフが地方出身者だったら、地元に帰ることも込みで仕事をしてもらう、ということも十分ありえます。
——地方拠点ならではの魅力もありそうですね。
望月:
そうですね。
地方で仕事をすることのひとつのメリットとして、家賃が都内と比べて安くなる一方、仕事自体は地方だからと報酬が安くなるわけではないので、生活にゆとりをもつことができます。
また、やはり自然が多かったり、生活のサイクルがゆっくりだったりするので、地方で生活すること自体が気分転換にもなることも定着率につながっているのではないかと思います。
——撮影スタッフの採用にあたって必要スキルなどありましたらお教えください。
望月:
撮影は完全に座り仕事なので、コツコツと仕事を出来ること、ですかね。
募集概要を読んでもらえればわかると思いますが、応募時点では特別何かしらのスキルが必要だとは考えていません。実際のところ弊社スタッフのほぼ全員が業界未経験からの採用です。クリエイターズインパックグループも同じように未経験者採用をしているため、一緒に作り上げたカリキュラムがあるんです。現在進行形でカリキュラムの内容をどんどんブラッシュアップしていっているのですが、入社された方たちにはまず最初にこのカリキュラムに取り組んでもらいます。
——育成に力を入れていらっしゃるんですね。
望月:
いろいろな会社でも同様のことをやっているかもしれないですけどね。
ただ、弊社のひとつの特徴としてさきほども話した定着率の高さがあげられるかもしれません。現在働いてくれている従業員のほとんどはすでに4~5年選手です。
——なにかしら理由があったりされるのでしょうか。
望月:
有り体に言えば報酬の面も大きいと思います。
詳しくは、イベント当日や採用面接の際にでも聞いてもらえればと思うのですが、わかりやすい査定基準と売上や報酬など可視化をしているのが定着している要因なのかもしれません。
沖縄で18歳から働いてくれているスタッフは、今5年目なんですが本人の頑張りもあり、結構お金も貯まり、あと何年かしたら家を買いたい、なんて話していて。「おいおい、社長の自分よりもしっかり貯金しているんじゃないか?」ってなりましたよね(笑)
——それはなかなか夢のある話ですね(笑)
望月:
それ以外では就労環境の自由さも理由としてはあると思います。
現在の話ですが、6年くらい一緒に働いているスタッフが、貯金して、半年くらいで日本一周や世界旅行に行きたいから半年休みをくれ……とのことで今は北海道一周して北海道から奈良の実家に戻っています。ただ、仕事が立て込んだこともあり、手伝ってくれないかと連絡したら、奈良からリモートで仕事をしてくれています。
就業規則はもちろんあるんですけど、基本的にはすごく自由。もちろん中にはやめていく人もいますが、独立して巣立っていくケースもあれば、その後また戻ってくることも、他社で活躍していることもあります。こういった社風があう方であれば、楽しんで仕事をしてもらえるのではないかなと思います。
——話は戻りますが、撮影以外にもラインプロデューサーの募集もされていますね。
望月:
はい、ラインプロデューサーというのは、一般的な日本のアニメ制作の現場では制作デスクと呼ばれている仕事です。
それぞれの役割としては、プロデューサーは作品の経営者や部長だとして、ラインプロデューサーは課長ですね。現場に近いのがラインプロデューサーで、その二つの違いは何かというと、ともにマネージメントが仕事ではあるのですが、その領域が違います。
プロデューサーは監督やキャラクターデザイナー、脚本などのメインスタッフを集めたり、クライアント折衝、資金調達や将来の作品のタネを撒きに行く……など制作そのものの大枠をつくるのが主な業務です。ラインプロデューサーは、アニメにおける制作現場の全て……絵コンテ、演出、作画監督、レイアウト・原画、動画、仕上げ、CGなどのメインプロダクションである実作業を行うスタッフを集め、アニメーションプロデューサーと共に予算管理や人材マネジメントすることがメイン業務となります。
僕自身が現在プロデューサーとラインプロデューサー業務をやっているので、今回は、まずは僕のサポートをしてくれるラインプロデューサーを募集したいと思っています。まずラインプロデューサーで現場を経験してもらい、経験を積んだのちにプロデューサーに挑戦してもらうという想定です。
——お仕事の内容的にはどういった作品に関わることが多いのでしょうか。
望月:
現状は、複数の話数を同時並行で制作するようなテレビアニメをまだやっておらず、ゲームのオープニングムービーだったり、CMやPVなどの単発作品に取り組んでいます。とはいえいずれ、テレビアニメにも取り組んでいけたらと考えています。
——ラインプロデューサーに求める資質についてもお教えください。
望月:
業界に興味がある、会社に興味がある人、『学び』が自分でできる人に応募してもらいたいですね。
技術やノウハウはいくらでもあとから教えられますけど、モチベーションに関しては、外部からどうこう出来るものではありませんので。学びを自分でコツコツできる人であれば、そこは問題ないかなと思います。
もうひとつ、英語を話せるとうれしいですね。
——そこは明確に英語なんですね。
望月:
英語ですね。
ここ2年で台湾に30回くらい飛んでいます。中国も14回。それ以外にも北米やシンガポールや、ヨーロッパなどは映画祭があるときは大体飛んでました。
ただ、この部屋を見てもらえればわかると思うんですが、やっぱり僕自身アメリカが大好きで。アメリカに一緒に行こうぜっていう。だから英語(笑)
僕がアメリカに行くときに、一緒にアメリカに飛んでもらいたい。海外を飛び回ることが好きであれば、かなり多くの経験をしてもらえるのではないかなと思います。
——お時間をいただきありがとうございました!最後にこれからアニメ業界に就職する方へのメッセージをいただけますか。
望月:
僕自身がアニメ業界に飛び込んだのは『EXTRA』や『マインドゲーム』というアニメに出会ったことがきっかけでした。その作品を創ったスタジオで仕事がしたいということで、スタジオ4℃の門を叩いて、実際に働くことになり、『鉄コン筋クリート』という作品に携わりました。
これからアニメ業界に飛び込もうとする人たちにも、「こういう作品をつくりたい」「この作品をつくった人たちと一緒に仕事をしたい」という思いを、まず持ってもらえたらと思います。僕個人としては「自分ならもっと上手くやれる」「アニメ業界で絶対に成功してやる」という、いい意味で生意気な人にもっとアニメ業界に来てほしいと思っています。
弊社の話としては、作画スタッフが今年4月が1名入るのですが、このスタッフを軸に、面白い広告案件や短編に取り組んで、オリジナルIPを今後は創出することにも挑戦していこうと思っています。近々、発表されるプロジェクトがあるので、ぜひともアスラフィルムという名前に注目していただき、興味があればぜひとも応募してもらえたらと思います!
——ありがとうございました!
アニメ業界就職フェア「ワクワーク2019」のエントリーはこちら!
<ライター:田村虹介 、 編集・撮影:中山英樹>