株式会社ウィットスタジオの浅野恭司氏(取締役、アニメーター)と手塚響平氏(アニメーター)のおふたりに、インタビューさせていただきました!
ウィットスタジオは、2018年にSeason3が放送された『進撃の巨人』をはじめ、『甲鉄城のカバネリ』『魔法使いの嫁』など、圧倒的クオリティで、アニメファンの心を揺さぶる作品を生み出したスタジオです。浅野さんは『進撃の巨人』シリーズで総作画監督&キャラクターデザインを、手塚さんは『進撃の巨人』シリーズでメインアニメーターを務められています。
会社の成り立ちや作品作りについて、さらにアニメ業界志望の就活生が知りたい情報など、たくさんのお話を伺いました!
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◆会社としてのアニメスタジオ
――本日はお時間いただき、誠にありがとうございます!まず最初に、御社の事業概要や沿革について、お教えいただけますでしょうか。
浅野 恭司氏(以下、浅野):
株式会社ウィットスタジオは、原作のあるものやオリジナル企画のアニメーションの制作を行う会社です。2012年6月に、株式会社IGポートの子会社であるプロダクション・アイジーから独立する形で設立されました。
『ハル』という中編アニメーション映画の制作から本格的にスタジオが動き出し、その後から、弊社での初のテレビシリーズとして『進撃の巨人』の制作がスタートしました。
現在、本社は三鷹にありますが、他にもデジタル動画仕上げを行うスタジオや、吉祥寺には『魔法使いの嫁』やまもなく放送開始の『ヴィンランド・サガ』を制作するスタジオがあります。また、2018年に、WIT茨城スタジオを茨城県つくば市に設立いたしました。
――現在までに制作された作品で、作り手側として印象に残っているものはありますか。
浅野:
『進撃の巨人』です。今も続く作品ということもあり、ウィットスタジオを代表する作品だと思っています。
また、オリジナル企画として立ち上げ、現在劇場版を制作している『甲鉄城のカバネリ』も大切な作品です。
――作品制作においてのこだわりをお聞かせください。
浅野:
私自身がアニメーターなので、作画にこだわる意識が業界に入った頃からあります。もともとプロダクション・アイジーが、クオリティ重視のスタジオだったので、そこで培われた意識を自分が受け継いでいると感じています。
――作画ではデジタルにも力を入れているのでしょうか。
手塚 響平氏(以下、手塚):
今はどこの会社でもデジタルには積極的だと思います。
現在は弊社でも、デジタルで作画を行う人が徐々に増えてきています。ただ、デジタルの利点を生かそうと思うと、全工程データにしないといけません。フリーランスのスタッフ含め、たくさんの人たちが混在し作業する今の状況では、紙の作画でないと困る場面も多々ありますので、弊社では基本のツールは紙で作業しています。
――Project BIGSHIPというコンテストで、御社はWITノベル部門を設けていました。オリジナル作品の制作を見据えてのことなのでしょうか。
浅野:
あのコンテストはIGポートグループの10周年記念に開催され、子会社それぞれが注力する部分を掲げていました。弊社ではノベルという原作を持った作品作りに力を入れるべく、部門を立ち上げました。
◆ウィットスタジオでのワークスタイル
――御社で働く社員についてお教えいただけますでしょうか。
浅野:
従業員は制作と作画で班が別れていて、男性は49名、女性は31名の計80名おります。
手塚:
世代は主に20代から40代です。
制作は20代が大半です。作画の年齢層は、社員に限定すると30代が多いです。会社を立ち上げてからあまり経っていないことや、経験を積んだ中から採用をだしているからかもしれません。
――採用を受けるかたは男性が多いのでしょうか。
手塚:
作画の採用を受けにくるのは女性のほうが多いです。近年は、女性の方が能力が高い傾向がある気がしています。
――社員同士が、お仕事以外の場で交流する機会はありますか。
浅野:
定期的ではありませんが、食事会を開いたり、みんなで出掛けてBBQをしたりしています。全体で忘年会なども行います。また、制作が終わると携わってくださったかた全員での打ち上げをやります。
――月ごとの休日や長期休暇についてお教えいただけますでしょうか。
浅野:
基本的には土日祝日がお休みで、夏季冬季休暇もあります。
手塚:
今は、私たちが若い頃のような無茶な働き方はしていないです。
会社立ち上げ時からの社員は、家庭を持って子供もいる場合が多くなったので、週末出ずっぱりというわけにはいきません。会社は、土日はあまり働かずに作ることが出来るよう、協力してくれていると思います。