――カフェや映画館をプロデュースすることで、実際の制作現場の仕事に変化はありますか?
近藤:
描き下ろしの仕事は増えました。要は社内同士で発注と請けが行われているんです。それどころか、店舗で販売するグッズの企画も作画スタッフから提案されることもあります。自分が考えて、自分が描いたグッズが店頭に並ぶというのはスタッフにとっても嬉しいことです。
――イベントはどうですか?
近藤:
マチ★アソビに多くのスタッフが参加しています。トークイベントを行ったり、ライブドローイングを行ったり、直接、ユーザーの方に触れることで大きな刺激を頂いています。カフェでのちょっとしたイベントもあるし、そもそも自社のタイトルのコラボカフェを常に行っているのでスタッフ同士で食べに行ってノベルティを集めたりもしているようです。
――特徴的であり、スタッフも楽しんでいるように感じます。他、会社全体の行事で特徴的なことはありますでしょうか。
近藤:
新人歓迎会や忘年会などの催しで、ufotable cafeのスタッフがスタジオにケータリングをしてくれることは嬉しいですよ。とても美味しいごはんが食べられます。以前はカフェで行っていたのですが、スタッフが多くて入りきれなくなってしまいました。
後は、概ね2年に1回、海外旅行に1週間ほどスタッフ全員で行っています。これまで、ハワイ、バリ島、タイ、セブ島、グアム等に行かせてもらいました。
――今年度、新卒採用される職種についてお話をお聞かせください。
近藤:
今年は弊社にある全てのセクションの募集を行います。
制作、作画(東京・徳島)、デジタル映像部、仕上げ、背景、企画管理、カフェの運営店舗スタッフも募集すると思います。作画に関しては10名前後、それ以外の部署は若干名を予定しています。
それ以外にプログラマーやグラフィッカーも募集いたします。
――制作、作画などすべてのセクションにおいて共通して欲しいスキルはございますか。
近藤:
集団作業でひとつの作品を作ることになるので、みんなで切磋琢磨していく、という考え方が持てる方に来てほしいな、と思っています。弊社で作品制作にあたる際は、「監督のほうが立場が上、新人は立場が下」といった考え方はしません。作品が変われば、当然作品に最適なスタッフも変わります。作品の前では、上も下もない。そういった考え方に共感できる方にお越しいただければと思います。
――そういった点ではコミュニケーションスキルは非常に重要なポイントになりそうですね。
近藤:
コミュニケーション能力という単語が指す事柄には色々なものがありますよね。初めて会った人と仲良くなれる能力でもあれば、知り合いとより一層深い間柄になる能力もコミュニケーション能力だと思います。弊社において必要とされているコミュニケーション能力は、スタッフ同士で互いの意見をすりあわせてより良い作品を目指していく能力や、お互いの好きなこと、得意なことを知っていく能力。ユーザーが求めているものを感じ取る力といったものではないかと思います。
スタッフそれぞれが作品の事を考えて、アウトプットを互いにしあって、最終的に作品がよりよくなる方向に向けて、皆で走っていけることが重要だと思っています。
――入社後のキャリアステップについて、お話をお聞かせください。
近藤:
職種が多岐に渡るので、それぞれに個別のキャリアパスがあります。
皆が作品を作る上では同じ仲間。動画のプロフェッショナルがいてもいいし、制作進行のプロフェッショナルがいていい。職種、役職が重要なのではなく、他のスタッフに認められるような働きをする、という事が重要だと考えています。自分の得意な領域で、作品や、会社にとってプラスになる何かを担っていってくれれば、と考えています。ですので、給与に関しても、役職よりも、作品やスタジオにどれだけ貢献してくれたか、を判断基準にしています。
――最後にワクワークに参加される方たちにメッセージをいただけますか。
近藤:
クリエイティブ職を希望される場合は、ぜひとも作品を持ってきてください。
また、主役は基本参加されるみなさんだと思っています。私が喋る場ではなく、皆さんが知りたい事をお伝えする場である、という認識をもって僕は臨むつもりです。参加される方たちにはぜひ、この仕事を始めるにあたって、確認したいこと、知りたいことをちゃんと持った上で当日ブースにお越しいただけますと、お互いにとって価値のある時間になるのではないかと思います。去年はイベントでのご縁から内定を2名に出させていただきました。今年も素敵な方にお会い出来ますことを楽しみにしています。
――長時間、お時間をいただきありがとうございました!
近藤氏も参加される予定のアニメ業界就職フェア「ワクワーク2019」のエントリーはこちら!
<ライター:寺田有希 、 編集・撮影:中山英樹>