【アニメライターって何?】記事を書く、伝える仕事 (ライティング講座7月課題②)

今回の記事では、アニメ業界ライティング講座(旧:アニメライター育成講座)の現役受講生が講座の課題として執筆した記事をご紹介します。課題テーマは「インタビューをして記事にまとめる」で、講座主催のワクワーク代表中山英樹氏を対象に一人ひとりインタビュー実習を行い、その取材内容を元に記事を作成しました。

ライター:趙小唄
編集:ドキドーキ!編集部

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 「アニメライター」ってなに?どんな仕事?

 アニメのライター、と聞いてどんな仕事を想像するだろうか。シナリオ、ネットニュース、宣伝…この仕事にはさまざまな業務内容が含まれている。その中でも特に「シナリオ」はアニメづくりにおける要石であり、花形だろう。では今あなたが読んでいるこの文章は…?

 シナリオだけではない「アニメの文章」の重要性を、アニメ業界の就職説明会やインターン講座を開設する傍ら、アニメライター講座に力を入れる、ワクワークの中山代表に話を伺った。


――「アニメの文章」というとシナリオ、という印象があるのですが、なぜ雑誌やネット記事のような文章に着目した講座を開設しようと思ったのでしょうか。

 他では学べないことをやりたかった、ということ、そして、記事ライターの高齢化が著しい、という点があります。まず、シナリオは専門の学校があったりと、すでに学ぶ環境が整っています。わざわざ僕たちがやらなくても、良質な土台があるんですね。加えて「いかにシリーズ構成…シナリオの大本を書く人とつながれるか」というコネクション面が重要になるので、僕たちが新しく掘り起こしたり、学ぶ場を提供することに意味が感じられませんでした。

ですが、その一方でニュースや評論といった記事を書くライターは作品そのものの面白さだけではなく、アニメ史や他作品、コンテンツなどの違う切り口を使って、アニメに詳しくない人でもその面白さを伝えられる、語れることが重要になります。そして、今現在、実際にそのスキルを使って生計をたてられている人、名前が知れ渡っている方はアニメが大衆化してから今日までずっと最前線で活躍されている方で、一番若い方でも、40歳手前の年齢層にあたるんじゃないかと感じています。僕の中で、このまま高齢化が進んで、最前線から抜ける方が増えていくと、分かりやすい作品しか受け入れられない、という窮屈な状況になるのではないか、と思ったんです。分かりやすい面白さだけではないアニメの魅力…こうした面白さを語れる、語ろうとしてくれる若手の人たちが活躍できる土台を作りたい、と思ったのがきっかけで、講座を開設しました。


――学生向けにアニメ業界に関するインターン講座を開講していらっしゃいますが、別講座としてアニメライター育成講座を設けた理由を教えていただけますか

 まず、就職の方向性が違う、ということがあります。制作進行、製作側などインターン講座は特定の会社で働くことを前提にしています。一方でライター講座はフリーランスとしてひとり立ちするために自分のスキルを伸ばすことや講師陣、メディアとの連携を深めることを目的としています。

インターン講座では、スタジオに入りたいのか、ビジネスサイドに行きたいのかを明確にすることや、スタジオだけではないアニメの携わり方に気づいてもらうことが目的にあるのですが、フリーランスを前提としたライター講座は、最初からライターとして食べていくことは厳しい現実を踏まえ、なるべくそのハードルを下げられるよう、課題や質問などを通じて人脈を広げられるようお手伝いをする、ということも目的ですね。


――アニメを語れること、記事を書くこと、といったスキルの土台を講座で学んでほしい、お話がありましたが、そのほかに受講生に講座を通して学んでほしいこと、社会に生かしてほしいことなどはありますか。

 本講座では毎月課題を出すのですが、その課題を通して、文章を書くことを実践してほしい、と思っています。講座やその月の授業での学びだけでなく、締め切りを設けた課題の提出でアウトプットの数をこなすこと、こうした経験を積み重ねることで、自分のやりたい仕事に届く可能性に気付いてほしいんです。また、本講座の講師陣は全員が全員ライターではありません。宣伝、ホームページの文言を考える方など、様々な側面を持つ方たちです。その方たちの仕事や工夫に触れること、また、文章を書く、という行為は社内のメール、手紙など、様々な場面で必要になりますので、講座を通じて、こうした文章に関わる仕事の多様性、文章を構成するスキルの重要性を感じていただきたい、とも思っています。


――中山さんが思う、アニメライターの重要性とは、なんでしょうか

 ライターに限らず、アニメのことを語れる、言語化して分かりやすく説明できる人は非常に重要だと思っています。先ほどアニメライターの高齢化に触れましたが、それにも関わることで、SNSなどで例えると、僕たちが使っているアプリと若い人達が使っているアプリは全然違うし、面白いと感じる点も違うと思います。アニメも一緒で、今後生まれてくる作品、その面白さは、今の若い人にしかわからないことが多くあるんです。持っている視点が全然違うんですね。僕が思うに、今の作品、その面白さを語れる人はやっぱり今の人だと思うんですよ。なので、これからアニメを見る人、ファンになる人達にその面白さを伝える、その橋渡しをしてくれるような人がこの講座の中から生まれてくれると嬉しいですね。


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