アニメ就活生たち、戦略でエンタメしよう!ライター講座で得られる書くスキルと成功への失敗ストック(ライティング講座7月課題①)

今回の記事では、アニメ業界ライティング講座(旧:アニメライター育成講座)の現役受講生が講座の課題として執筆した記事をご紹介します。課題テーマは「インタビューをして記事にまとめる」で、講座主催のワクワーク代表中山英樹氏を対象に一人ひとりインタビュー実習を行い、その取材内容を元に記事を作成しました。

ライター:せんさとし
編集:ドキドーキ!編集部

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「アニメ業界で働きたい!」と、熱い想いを抱く就活生にぜひご紹介したいのが、第2回目を迎える『アニメライター育成講座』。豪華なゲスト講師をお招きし、実作業型の課題をこなす中で、一体どんな武器が得られるのか?アニメ業界就活フェアを毎年開催する株式会社ワクワークの新しい試みについて、設立のきっかけから、講座で得られるもの、学びをどう生かせるのかなど、代表・中山英樹氏にお話を伺いました!


――ワクワークのなかで、新たに「ライター育成」を行おうと思ったきっかけをお教えください。

僕は、学生さんが業界に入るお手伝いがしたいと常々思っていて、ライター講座も基本はその延長線上にあります。

これから業界を目指すかもしれない人たちの不安を取り除くために、実際の現場で働く人たちの声と学生さんをお引き合わせする就職フェアを始め、ワクワークという会社も設立しました。


ーー業界と学生との懸け橋なんですね。

そもそもの立ち上げのきっかけは、アニメ業界の方とお話をしていて、「今、第一線で働くアニメライター陣がいなくなったら、アニメライターというお仕事の存在そのものがなくなるんじゃないか。それはまずい。ライター講座をやりましょう」と、開講を決めた流れがあります。

なので、アニメ業界で文章を使い、仕事をしたい学生さんを増やす狙いがあります。


ーーアニメライターの存在は、アニメ業界の方からも重要視されているんですね! 

僕はライターさんは、とても重要な仕事だと感じています。

監督やクリエイターさんが、作品の魅力をつまびらかに言語化できたら、ライターさんのお仕事は必要なくなるのかもしれないですが、なかなか難しいですよね。インタビューなどで、何を考えていたかを掘り起こす作業をすることで、制作現場の本当の姿や起きていたことが形として外に出ることが、往々にしてあるからです。

作品だけを味わえればいいですという人からしたら、あまり意味がなく感じるでしょう。ですが、アニメ業界でもっといい作品を作っていきたい人が出続ける限りは、制作サイドの意図を形に残す仕事はすごく大切です。


ーーカリキュラムを考える際に、どういった部分を意識しましたか?

アニメ業界で働く際に、文章に紐づく広い業種がこれだけあるというのを知ってもらい、その中で「どういう戦略で、ライターとして食べていくのか」を、その人自身が考えるきっかけを作ることを重視しました。

ですので、講師陣としてお招きしたライターさんたちには、誰一人として同じキャリアステップで今の場所に来た人はいません。真似してできるものではないと思いますが、生徒側が「自分にはどんな武器や戦略が必要か」という発想に繋がれば嬉しいです。


ーーこれからは、やはりライターにも多種の武器が必要でしょうか。

アニメ雑誌自体の売り上げがだいぶ縮小している中で、ライターとして安定したお仕事を得る機会は少なくなっています。

もともとは、ニュースリリースの書き起こし記事を、一本をいくらで受注するところから、キャリアを始めるのがスタンダードでした。けれど、そういう案件も減り、極端な例だと、コスト削減でAIに書かせたりするサイトさんも出てきました。もちろん、数字を稼げる記事であれば、予算が付くかもしれないのですが、いきなり新人に回ってはきません。つまり、現状アニメライターのお仕事単独で生計を立てるのは、ハードルが高いという前提があります。


ーーみんなが狙っている仕事だけでは厳しいということですね。

一本足打法で勝つのはどんな世界でも大変です。ライター講座としては矛盾しますが、アニメ業界で文章に関わるお仕事は、記事ライターさん以外にもたくさんあると伝えたかったです。

それに、アニメ業界やライター職に関係のない企業に就職したとしても、本講座で磨いたスキルは役に立ちます。メイン講師の石島英和さんも授業でお話ししていましたが、ライター講座で今学んでもらっていることは、「こういう結果を得たいので、そのためにどういう文章を書くのが一番適切か、逆算して考える」です。

クライアントさんに送るメールの一本からしても、こちらが考えていることを適切に理解してもらい、相手側にこういう動きをしてほしかったら、どういう文章を書けばいいか工夫するのが重要です。

文章はコミュニケーションスキルの最たるものなので、学んだことは常にどんな場でも発揮できます。


ーー前回の第1回目から変えたところ、もしくは継続して組み込んだことはありますか? 

第1回目にお招きした皆様がとても誠実にご対応くださったので、基本的な講師陣のラインナップや講義の流れ自体は変えていません。

アップデートした大きなポイントとしては、インタビューの仕方をまず学生さんに学んでもらう機会を作りました。

前回のゲスト講師・アニメ評論家の藤津亮太さんが、「イベントや取材に行く場合、関係者の方にお話を聞くことが、仕事の大半を占める」と言っていました。なので、できるだけ早いタイミングでインタビューの仕事を学んでもらえるよう、講義の最初の方に、今回のような生徒側がインタビュー記事を書く講義を盛り込みました。


ーー中山さんが今の学生に感じる印象はありますか?

ちょうど、川口典孝さん(株式会社コミックス・ウェーブ・フィルム代表)から、『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』 (光文社新書)という本がすごく売れていると聞いて読んだのですが、現代の若い方たちの特性をよくまとめていると思いました。皆さん、失敗をとても恐れるんですよ。仮にライター講座のような場でも、失敗したくない想いがすごく強いと感じます。だからそこ、ここではむしろ安心して失敗をし、「失敗しても大したことないや」を学んでもらえるような環境を作りたいです。

みんなが尻込みする中で、失敗を恐れずに最初に手を挙げられる人は、一番にチャンスを掴めます。


ーー上手くやるより失敗することが大事なんですね。

最終的な成功事例だけに注目が集まりますが、ホームランを打ちたかったら打席に立って何度も素振りをしないといけないです。その当たり前に、意外と気がつかない。気づいていても、受け入れたくないのかなというのを、すごく感じます。

でも、みんなが失敗したくない想いが強くなればなるほど、逆張りした人が一挙総取りできるかもしれないですよね。


ーー逆張りという考え方はすごく面白いです!

エンタメ業界を目指すなら、自分が一番エンタメしてほしいです。たとえば、主人公が安定路線だけを選ぶ物語なんて観たくないじゃないですか。「他の人が考えていないことって、どうしたらできるんだろう?」という視点をなしに、自分だけの場所を作れるほど、甘い世界ではないです。

若いうちだからこそ、笑って怒られずに済むフェーズを最大限利用して、いろんな失敗をたくさんして、むしろそれをキャラにして、一つ上の世代に名前を憶えてもらう方が、色々学べるものがあるかもしれません。

もちろん、わざと失敗しろって話ではないです。たくさんアクションを取ったら、必然的に失敗が発生してしまうだけなんです。みんながやっていることしかできないのは、逆にすごくリスクではないか?というのを、自覚してほしいです。


ーーまさにライターとしての武器にもつながりますね。

個人事業主としてのライターであれば、DMでお仕事を受けることもあります。前の何人かに断られたから回ってくる、誰にでも発注できる案件よりも、「あなたにしかできない仕事です。これはどうしてもあなたに書いてほしいんです」と言われる方が、お互いにとっていいじゃないですか。

でも、芸風として得意領域を学んで、順当に既定路線のことを積み重ねても、なかなかうまく行くものではない気がします。「私こういうことが得意なんです」を、表立ってキャラ立ちさせるのは、トライ&エラーを積み重ねてやっとできるようになることです。


ーー逆に、学生に対して毎年変わらないと感じる部分はありますか?

アニメ業界で働きたい学生の志望理由は、「アニメが好きだから」から始まっていますね。

ただ、そこからもう一歩先までいっていない印象です。自分自身も同世代の時は同じだったので、あまり最初から望みすぎても仕方がないのですが、ハードな業界だと理解してもなお手を挙げる学生たちに対し、「彼らが働き始めた時に、より良いスタートを漕ぎ出せるよう、僕たちは何を伝えられるのか」を意識しています。「アニメが好きであることが、他の人にとって働く上で、どういう価値があるのかどうか」を考え、学んでもらえるように授業をしています。


ーー就活を開始する学生に対して、何かアドバイスがあればぜひお願いいたします!

アニメ業界でいうと、もっとアニメ以外のことを遊んだほうがいいです。

「視聴者としてたくさん観ました」だけでは、あんまり価値にはならない。一方で、「僕は絵が描けるんです」という、すぐ使えるスキルって、業界の人からすると、あとはもう「レベル判断」にしか繋がらないです。

「他の人がやっていないことをやりましょうよ」という部分に紐づきますが、アニメに関係ないスキルなら、相手も詳しく知らないから、「面白そう」の一発で通ることも十分あるかもしれない。「こんなことを学んできました。これをアニメ業界でこのように生かせます」という戦略の方が、納得感が出せると思います。


ーー大好きな業界だからこそ、より発展させたいという想いは大切ですね。

与えられた仕事を時間内にできることが大前提にはあるとしても、「自分は業界に何を持ち込めるんだろう」とか、「お給料としてこれくらいをもらうんだったら、これぐらいのものを業界に返さないといけないよね」という意識を持ってみてほしいです。学生のうちから、自分が業界に役立てられる価値を考えながら、「生かせる武器を増やす戦略」を練って就職活動してみてください。

ーーありがとうございました!


筆者も受講生の一人として、アニメライター育成講座から学んだことをどう生かしていけるか、未来像を考えるきっかけとなる時間になりました。今後の授業や講師陣との出会いがより楽しみです!


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